平成24年度 大井川を学ぶ視察会(源流部)が一般公募により実施されました。
平成24年10月19日(金)~20日(土)参加者16名、
平成24年10月27日(土)~28日(日)参加者10名にて
平成24年度 大井川源流部を学ぶ視察会が開催されました。
視察スケジュールと参加された方の感想及び当日の様子を報告させて頂きます。
2 大井川の現状を視察してどんなことを思いましたか。
3 課題があるとすれば、これから行政・流域住民はどんなことをやっていったら良いと考えますか。
(考え方なども含めて具体的に記入下さい)
4 その他ご意見がありましたら記入下さい。
川根本町 Hさん
2 大井川の上流域に一度行って見たいと思い参加しましたが、知らない事が多くあり、驚いた半面、良い勉強になりました。
大井川流域に生活している人でも立場が変わると大井川の見方が180度変わってしまうと感じました。ダムによって生計を立てている人も多数いるでしょうし、エネルギーの有効利用面からもダムは必要だと考える人も多いでしょう。逆にダムの必要性を感じない人達は自然環境の保全が重要とか景観を大事にと考えるでしょう。ダムの堆積土砂の問題とか、大井川の水の濁り、水量の減少等の問題とか、簡単に解決する問題ではないだけに色々な立場の人達から意見を聞き知恵を出してもらい、一歩ずつ良い方向に進んで行くしかないのではと感じました。
3 自分も含め、大井川の現状を知らない人達が圧倒的に多いと思います。何が問題で、どんな事に困っているのか、多くの人に問題意識を持ってもらう事から地道に活動するしかないのではと考えます。大井川に関心を持ってもらう、イベントや勉強会等を開催したり、大井川流域で人が集まる祭事等で、現状の広報活動をしたり、ネットでの広報活動をしてみてはどうかと考えます。
4 視察会がなければ大井川源流域を訪れる機会もなかったかもしれません。ありがとうございました。
静岡市 Kさん
2 思っていた以上に、中流部以上の砂利の堆積と上流部の山の崩落が想像以上に進んでいるのにおどろき、約45年前に山歩で見た、畑薙ダムの大吊り橋下は、青々と水が満していたのに、今は砂利でびっくりでした。
3 大井川流域に数多く有るダムと発電所の人工物と自然の景色を全面に出した観光資源をツアーガイドの説明付の椹島ロッジ泊の一泊旅行とか又は、白樺荘温泉の入浴付日帰りツアーなど。
(ツアーガイドの育成の問題も出るけど)
4 電力会社に今まで以上に解放してもらい、ダム、発電設備近くに駐車場を作れば大井川の現状を一般の人に見てもらえるのではないか。
今回参加させていただき、ありがとう御座居ました。
藤枝市 Sさん
2 大井川の下流域に生活し(牧之原・金谷・藤枝)、大雨、台風で川が増水する姿をみてきました。上流部のダム等は増水時等の被害を防ぐため設置され、その水が発電・農・工・生活等に効率的に利用されているものと思っていました。
江戸時代、大井川の氾濫で藤枝市の南西部では被害もあり、今も三角屋敷敷、堤防(千貫堤)が形を残しています。現在は川の氾濫もなく、良く管理されているものと思っていました。
しかし、今回の視察で塩郷堰堤の河原砂漠で、住民の16年前の水返せ運動は最近のことであることを知りました。発電等の施設が自然を生かすことに反することが多いということが感じられ、川の本来の姿(“川の三大作用”、“川の働きと水のゆくえ”…資料大井川の絵地図)を考えると、次の世代は川の自然の姿を残すためにも、水の循環(山・川・海の自然循環)を変えてはならないと思います。
今の時代、水の利用は大切ですが、過度な利用はせず、限度を考え自然循環を守ってもらいたいと思います。
3 発電・農・工・生活等のため水が利用されていることは必要なことですが、太古から存在する川の働きを止めることは将来に対して禍根を残すことになります。そのためにも現在の高度な技術・知識によって自然と両立し、生かすことを為政者は考えていかなければならないと思います。
<今回の視察で感じたこと>
・今の技術で自然に影響を与えない発電の方法(高さ、水量が必要といわれるが)で効率的な発電方法がないのか(川から水がなくならない方法)導水管で発電所へ行くという方法の改善(大正、昭和初期に設置されている設備もある。現在、建設した場合も同じものになるのか)
・発電、農、工、生活用水において、利用した水が川へもどるという循環がなされているかどうか。
・ダム湖等に土砂が堆積しない、堰堤の設備・改良が出来ないのか。
・地下ダムなどの技術も進んでいるようですが。(中、上流域でその技術が生かされないのか)
・魚類の遡上等、生物の循環を行えるような工夫は。
・崩壊による砂防ダム(堰)の改良、土砂がたまらない方法(効果がなくならない方法)
・自然林の十分な涵養(針葉樹の人工林にしない)
・地域住民に水の循環(自然循環)を理解してもらうよう常にPRする。
・エコツアーなど実施(今回の視察他、多く行っているようですが大井川流域でなく、他の地区の人も参加してもらい自然循環の大切さを知ってもらう。そのために自然を荒らされても困りますが。
・国内・国外でも大井川と同じような河川が多くあると思います。河川(上流~下流域)がどのように管理されているかということを知ることも大切と思います。(行政関係にたずさわっている方は、十分検討されているものと思います。)
・川の管理とは違いますが(都市部かと思います)、私は雨水が利用(雨水を一度に流さず(敷地内と屋根)、水利用と地下への浸透のため、15年前から行っています。現在は野水槽が1トン弱ですが、庭木等に使用し屋外では上水道は使用していません。5~10トンの地下水槽(地下浸透槽を兼ねた)を考え、トイレの水洗用水等に使用する計画をしています。経費不足で計画だけですが、補助等があればと思っています。(東京都墨田区他では補助しているそうです)大規模(公共施設)の雨水利用が多く行われているようです。
4 2日間、源流まで案内していただき、いろいろ知ることが出来ました。下流住民として、水の恩恵を受けている以上、中・上流の自然等を理解しなければならないと考えます。今後、田代ダムの上流も訪ねてみたいと思います。
今回の視察で各所の説明、案内をしていただいた、講師、事務局の皆様方、又舗装されていない道を安全運転された運転手様に感謝いたします。
・利用したトイレが綺麗でよかったです。よごさないよう気をつけました。
・バス内の説明が、後ろの方で聞きとりにくい時もありました。
・最近、大井川流域のテレビ放送がありました。映像はきれいです。(BS24.9.4「大井川鉄道で行く山あいのくらし」)
島田市 Sさん
2 各地で河床低下が多くみられ河原砂漠が続いていたのはびっくりしました。一日も早く川を埋めつくしている土砂を取り除かなくては大きな台風が来れば増える一方で恐ろしい結果になってしまうと思いました。
3 川を埋めつくしている土砂を利用する方法を考えることが一番大切で一日も早く昔の水が流れている大井川になって欲しい。
島田市 Yさん
2 温暖化に成り大雨になったり大きな台風も来て土石砂が心配です。子供の頃毎日大井川で魚とりをして遊んでいました。これからの子供たちにも昔の川に戻して遊んでもらいたいと思います。
3 上の偉い人達に見てもらい、早い内に分かってもらい考えてもらいたい。
4 申し訳なく思いましたが2年続けて参加させていただき良く分かりました。初倉の方の大井川10/1まだ濁っていました。
島田市 Kさん
2 これから何年も続くであろう上流部の山の崩壊による堆積土砂を目の当たりにして、ダムのために流された土砂は大変深刻な問題です。ダムの水の色が下流に行くに従って色が濁り、貯水の下はどんな状態(ヘドロ等)なのか気になりました。ダムも機能し、大井川に魚や水生生物が住めるにはどうしたらよいか。大井川に32ものダムがほんとうに必要なものか考えさせられました。
3 行政、企業、流域住民が、ひとつになって大井川をきれいにする事に尽きると思います。春・夏・秋・冬と大井川再生の日を設け、奥大井の自然と共に大井川の歴史と問題点を放映し、社会にPRする。学校教育の場にもっていく、しかし“百聞は一見にしかす”、多くの人が大井川の現状を見る機会をつくる事だと思います。
4 温泉・キャンプ場・吊橋と自然が豊かで紅葉もすばらしかったです。2日間の雨は残念でしたが、これも自然です。椹島ロッジでの停電も電気の大切さを教えてくれました。野鳥が大好きで、長島ダムふれあい館のアカショウビンの写真が忘れられません。ヤマセミも見られるとの事でした。よい体験をさせて頂き、有意義に過ごす事が出来ました。これを忘れないで、いっそうの節電に努めます。ありがとうございました。
静岡市 Oさん
2 早々に堆積した土砂をいかに活用するか考えなければいけない。上流から見ていった水力発電設備は、自然と人間が川を通して関係してきた長い歴史の文化産業遺産でもあるとも思う。
3 自然遺産として、この水系を登録する為に世界中の人に知ってもらう。特に東電・中電・国は積極的に関わるべき。エコツアー、トレッキング、コンサート(上原さん呼ぶとか)等の開催を企画して全国に発信してもらいたい。
4 初めて聞くことばかりで大変勉強になりました。またの企画を楽しみにしております。講師の先生、事務局の方、お世話になりました。ありがとうございます。
牧之原市 Oさん
2 ・塩郷ダムを境に河床も問題の深刻さに驚き。(海岸線住民として浜の痩せていくのを目にしているが)
・森林の崩落(自然現象と思っていたが)想像以上。
・林業衰退(?)による影響が結構大きい
・畑薙までの道路状況が以前(自分の初体験の50年前)からみると、年々ほんとうに良くなったと感心。
3 課題はいっぱいあると思うが、自分にはどうしたら良いか解らない(的外れかも知れないが)
・利権問題…水利権、漁業権等について、自然現象を含めて世の中が変化しているので、現状に合せて仕切りなおしたらどうか(せめて更新時には既得権も考えて)
・教育問題…森林や川を保全する事は国土(海洋も含めて)を保全する事を子供の時から正しくしっかりと真剣に取組む。
そうは思っても、私が今、何ができるだろうか。私にできる事は何があるか。小さな事でも何かあったら、やりたいと思うが…。(現状では現況を周囲に訴え、そして奥大井の観光を宣伝している)
焼津市 Mさん
2 ・上流部の山体の崩落個所の規模、多さが理解できました。
・塩郷堰堤を境にして河床の違い、またダム上流部の土砂の堆積状況が理解できた。
・水の利用(発電、飲料用水、農工業用水)のため、先人たちの努力が多大であった事が理解でき、また頭の下がる思いであった。
・現状の水量確保のための皆様の努力が良く理解できた。と同時にダム設置による問題点も理解できた(つもり)。
・山の生い立ち、成り立ちを知ることができた。
・治山治水と現状の経済コストを考える時、その現実(難しさ)を理解できた。
・自然との調和、共存共栄、とこで折り合いを付けるか、大変難しい問題!?
・奥大井自然の理解と共に皆様の生活も理解できたような感じがした。
3 ・自然の摂理からいえば、山体の崩壊も物理的安定のため、止むを得ないこと・・・、とも思えますが、現実の流域住民の暮らしを維持するため最低限の維持保全は必要なことと考えます。
河川土砂やダム堆積物の有効利用策はないのでしょうか。建築土木用資材、海浜保全用材、埋め立て資材としてはコスト的に合わないのでしょうか。(搬出する際の道路維持、橋梁の強度対策、交通安全等々問題もあるのでしょうが・・・)
・東日本大震災のように多大な被害が発生すれば、国民全体にその防災対策等が認識され、それに対する対策や費用も認知されるのでしょうが、現実問題として河川流域の一部地域住民にしかその危機感が持たれておらず、国民多数の認識が無いのもその一端ではないでしょうか。(大雨による中小河川の氾濫は最近多発しています)東海地震のための防災については静岡県は先進的対策(法的裏付けも有り)を取っていますし、水なし川に対する維持流量を皆さんのご努力により勝ち得たように、狩野川、富士川、安倍川、大井川、天竜川等多くの河川を持つ静岡県全体の取組としてマスメディアも取り込んで問題の重要性を認識することがまず重要なことではないのでしょうか。また、山林を維持保全してゆくことの意義や大切さと、それに対しての現在の方法・対策、及び現実を学生(中・高校生)対象に○○スクールのような形で開催し、将来を担う若い人たちによく理解認識してもらうことも必要ではないでしょうか。また、そのような若い人たちからは大人からは考え得ない発想も生まれてくるのではないでしょうか。
・ありきたりの意見ばかりですみません。
4 今回このような企画に参加させていただき、本当に有難うございました。大井川の河口に住んでいながら、また井川、畑薙第一ダム辺りまでは行っていましたが、今回のようなことはあまり考えたこともなく過ごしておりました。今後また機会があれば是非参加させていただきたいと思います。有難うございました。